
ロボティクスコース
教員
光学迷彩も夢じゃない 光を自在に操るナノマイクロ・ロボティクス
金森 義明
2023.04.07
近年のAI技術の進歩により、ロボティクス分野においてもその社会実装が期待されております。一部の単純タスクについては確かにディープラーニングをはじめとする画像認識の精度の画期的飛躍により、その実現性は確かに高まってきました。その一方で研究を進めれば進めるほど、人と生物の未知の環境への適応機能はそんなに簡単に実装できないものであることに気づかされます。人間の仕事がAIにとってかわる日がやってくるなどと言われることもありますが、人間が何気なく行っていることを、同じようにAIにやってもらうことは、現段階ではできていません。人間は自分の経験に基づいて予測して環境適応し、効率的に動くことができます。生物や人間の環境適応メカニズムや運動学習メカニズムは非常によく設計されており、ここから学ぶことはまだまだ多くあります。また実際にロボットを用いた実世界応用を行うことで、ある機能が果たす役割がある時とない時とでどう異なる振る舞いとなるかを実験することができます。これはすでにその機能が備わっている生体では確かめられないことですので、ロボティクスを活用することで定量的に各運動機能の最終的な運動タスクの達成度合いへの影響を検証することが可能となります。また生物や人間はうまく省エネルギーを実現しています。今や自動車の評価指標がかつての移動性能だけではなくエネルギー効率性が重要視されているように、ロボットの運動性能評価もいまの機能重視からエネルギー効率性が求められる時代がいずれ来ると考えています。それに先駆けてロボットに運動機能を維持しながら、エネルギー効率の良い運動制御をさせられないものかと日夜研究しております。
人間を知るためにロボティクスを使い、ロボティクスを進歩させるために人間の学習能力の研究を行う。そんな双方向的に科学する研究を行い、人から学ぶロボティクスとAIの融合を実現させるべく挑戦しています。
ABOUT
ミライをつくる、
わたしの視点
ViEWi(ビューウィー)は、東北大学工学部機械知能・航空工学科の「人」にフォーカスした情報を発信するウェブマガジンサイトです。研究者の視点や物事の考え方、研究内容を発信したり、卒業生や在学生の現在の取り組みや今後の展望などを発信していきます。