宇宙を探査するロボットをつくる

航空宇宙コース / 教員

吉田 和哉


2023.04.07

宇宙を探査するロボットをつくる

宇宙は人々の夢をかき立てます。宇宙にはまだ誰も見たことが無い世界が広がり、そこに人類の足跡をつけていくことは、私たちにとっての大きな夢です。私がまだ小学生だった1969年、人類は月面に大きな一歩をしるしました。そしてそれは無人探査機による太陽系大航海時代へとひきつがれ、各惑星の詳細な姿が次々と明らかにされています。特に火星には、複数の探査ロボットが送り込まれ、この赤い惑星にはかつて大洋が存在したことが明らかになってきました。

私は、大学院生時代に「宇宙を探査するロボットをつくる」というテーマに出会い、その夢を追い続けています。小惑星探査機「はやぶさ」の開発に参加する機会を得て、イトカワから岩石の破片を持ち帰るという、わくわくするミッションに貢献することができました。また、「Google Lunar XPRIZE(グーグル・ルナ・エックスプライズ)」という、月に無人探査ロボットを送り込む国際レースに、日本チーム「HAKUTO/ハクト」を率いて挑戦し、その夢にあと一歩のところまで迫りました。

最先端の技術を統合する航空宇宙工学は「工学の総合デパート」と言われます。プロジェクトに参画するメンバーは、自身の専門を探究し、求められる要素技術を磨き上げる一方、プロジェクト全体を俯瞰し、自分の担当している分野が全体と調和し、システムとして機能しているかを判断するスタンスも要求されます。「雷神」「ディワタ」「RISESAT」などの超小型人工衛星を大学内で開発し、宇宙空間に打上げ、大型衛星に負けない成果を挙げてきたことが、私たちの大きな自信につながっています。また、国際的な競争と協力関係も重要な原動力となっています。

宇宙は決して遠い世界ではありません。大学の研究室や、大学発のベンチャー企業が知恵を絞り、努力を続けていけば、必ず手の届く存在だということが証明されつつあります。それを実現できるのは、皆さんの若き力と情熱です。私たちと一緒に、宇宙探査の夢をかなえていきましょう!

プロフィール

吉田 和哉

大学院 工学研究科 航空宇宙工学専攻 教授

Laboratory Website:http://www.astro.mech.tohoku.ac.jp/